続 今さら聞けない“東海道五十三次”

(1)関宿の歴史

 前号では途中で終わってしまった、「今さら聞けない“東海道五十三次”」の続編です。前号では、東海道五十三次に関する4つの質問への答えを準備したのですが、残り2つの質問は関宿に関係深い質問です。

本文に入る前に、前号を確認したい方は、下記からどうぞ。

「今さら聞けない“東海道五十三次”」

では、質問に入ります。

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(5)東海道五十三次はなんで有名なの?

 街道としては他にもよく知られたものがありますが、やっぱり「東海道」は別格(他の街道好きの皆さんには申し訳ないのですが、言いきらせていただきます)です。日本で一番よく知られた“街道”と言って間違いないでしょう。

 では、なぜそんなに良く知られる存在になったのでしょうか。ここでは3つの答えを用意してみました。

①東西の大都市を結んで、最も往来の激しい街道だったということ

 まず最初は、やはり東海道五十三次が、当時の大都市、江戸と京とを結んでいたということが挙げられるでしょう。この二つの大都市を結んでいたということは、日本の東西を結んでいたということでもあります。

 そして、様々な街道の中でも、江戸時代、最も人の往来が多い街道だったということです。東海道を通った人々の中で特に有名なのは、参勤交代で国元と江戸とを行き来した大名方が挙げられます。参勤交代の大名行列は、その大名の石高(こくだか)に応じて百数十人から数千人規模のものまであったと言います。 

②文学や絵画の題材となって、あこがれの対象となったこと

 次に、当時の文学や絵画で取り上げられることが多かったことも挙げられるでしょう。
 “弥次さん喜多さん”で有名な十返舎一九(じっぺんしゃいっく)の『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)』。東海道の各宿を浮世絵にした歌川広重(うたがわひろしげ)さんなどはその代表格です。

歌川広重 「東海道五拾三次」(保永堂版)関(「本陣早立」)

 当時の人々にとっては、こうした文学や絵画が旅の情報源。各地の珍しい風俗を知る一番の手がかりだったんでしょうね。それだけに、旅へのあこがれとともに、東海道が多くの人々に知られることになったのではと思います。

「浮世絵になった関宿本陣」
※関宿の本陣を描いた広重の浮世絵「本陣早立ち」については、上の記事をご覧ください。
③旅の醍醐味、名所旧跡や名物の多さはやはり別格

 そして、沿道に多くの名所旧跡や名物があったことが挙げられます。沿道各所にある名所旧跡、そして名物は、旅の醍醐味の代表です。一生に一度行けるかどうかの旅ですから、何を見ても楽しかったのかもしれませんが、土産話のネタに事欠かなかったってことでしょうか。

【コラム】今でもよく知られている各地の名物
 東海道の名物の内、今でもよく知られているものは数々あります。誰でも大好きな“甘いもの”では、「安倍川餅」(やわらかいお餅にきな粉を絡めたお菓子)や「小田原外郎」(蒸し菓子)、食事では丸子の「とろろ汁」(「丁子屋」(静岡市))や「桑名の焼き蛤」などは良く知られたものですし、今でもご当地に行くと各地域で名店として知られたお店があったりします。

※今でも営業されている「丁子屋」さんのHPにリンクしています。
「元祖 丁子屋」

(6)今はどうなっているの?

 東海道五十三次の経路は今は国道一号線になっています。そう、国道の1番なんですよね。

 国道一号線は自動車が通る幹線道路。それだけに開発が進んだのも一番で、今では道は拡幅されて、沿道も往時の姿をとどめているところはほとんどなくなっています。それでも、往時の面影を残す場所がところどころに残っていています。

 例えば、 当時“街道の難所”として知られていた“峠道”や“関所”。峠では「箱根(はこね)」(箱根町)と「鈴鹿(すずか)」(亀山市)は東海道の二大難所として知られていました。関所では「箱根」と「新居(あらい)」(湖西市)がありますね。

 一方、旅人たちが体を休めた “松並木”や“一里塚”では「御油の松並木」(豊川市)が良く知られていますが、他にも大磯(大磯町)・三島(三島市)・舞阪(浜松市)・「池鯉鮒」(知立市)などにも残っていて大切にされています。“一里塚”としては私が住む亀山市に「野村の一里塚」があります。

 そして、往時の宿場の趣きを残すところもあるんですよ。そうこの関宿です。

 関宿は、東海道五十三次の江戸から数えて47番目の宿場ですが、東海道五十三次の宿では唯一、国の文化財である重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

東海道五十三次で宿で唯一の「重要伝統的建造物群保存地区」 関宿

これこそが伝えたかった事。
長~いフリの末にやっと関宿にたどり着きました。
まるで東海道五十三次の旅のようです。


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